「子どもの自主性を上げるためには、しっかり管理してあげるのが一番」

このように考えている方は案外多いかもしれません。

確かに、宿題や勉強の進行を細かくチェックし、スケジュール通りに指示すれば、短期的には成績が上がるでしょう。

しかし、その先に待っている未来はどうでしょうか?

徹底管理が生む「指示待ち人間」

確かに、親が厳しく管理すれば、一時的に成績は向上するかもしれません。

しかし、それはあくまで「やらされている」受け身の状態。

そこには、子ども自身の「学びたい」という内発的な動機や、自分で計画を立てて実行する力は育ちにくいものです。

しかし、その結果として自己判断力や自己管理能力が育たず、指示待ちの姿勢が身についてしまうリスクがあります。

子どもは、自分で行動するよりも、自分で物事を決めたり、挑戦したりする場面で一歩踏み出すのが苦手になりがちです。

自己管理能力が育たないまま大人になると、どうなるでしょうか。

残念ながら、常に誰かの指示を待つ「指示待ち人間」になってしまう可能性が高まります。

仕事においても、プライベートにおいても、自分で考えて行動するのではなく、誰かに指示されることを待つようになってしまうのです。

社会は、自ら課題を見つけ、解決策を考え、行動できる人材を求めています。

言い換えれば、世の中は「管理する側」と「管理される側」に分かれがちです。

どちらの側で活躍できるかは、幼い頃からの積み重ね、特に「自分で考える力」「自分で決める力」をどれだけ養ってきたかにかかっていると言っても過言ではありません。

13歳までが大きな分かれ道

この時期までに自己管理の習慣が身についていないと、以降の成績にも大きく影響します。

いわゆる「13歳の壁」です。

中学生になると学習内容は格段に難しくなり、小学校までの「やらされる勉強」では太刀打ちできなくなります。

この時期に自分から学ぶ姿勢、自分で時間を管理する習慣が身についているかどうかで、その後の学力差は広がる一方です。

一方、親や塾の管理下でなんとか勉強してきた子どもの多くは、管理が緩むと急激に成績が下がる傾向があります。

もちろん例外はありますが、データが示す傾向は明らかです。

この13歳までに、

  • 自分で学習計画を立てられる
  • 誘惑に打ち勝ち、やるべきことに集中できる
  • 分からなければ自分で調べる、質問するなど行動できる


    といった自主性と自己管理能力が身についている子どもは、まるでエンジンを自分でかけられる車のように、ぐんぐん加速していきます。

    中学、高校と進むにつれて、その力はさらに磨かれ、自ずと高い学力を身につけ、難関大学への道も開けてくるでしょう。

親の役割は「管理」から「伴走」へ

「叱咤激励すればやる」「管理すれば安心」そう思う時こそ、グッと見守る勇気が大切です。

失敗しても自分で考える力、失敗を糧にもう一度挑戦する力こそが、将来の大きな財産となります。

親としてできることは、多くを手出しすることではなく、「見守り、励ます」こと。

13歳までに自主性・自己管理能力を育てることは、子どもが将来社会で管理する側、すなわちリーダーシップや自立した生き方ができる人になるために欠かせません。

子どもに自主性と自己管理能力を身につけさせるために、親ができることは何でしょうか。

それは、徹底的な管理ではなく、子ども自身が考え、行動する機会を意図的に作ることです。

  • 小さなことから自分で決めさせる: 「今日の宿題、どの順番でやる?」「明日の準備、自分でできるかな?」
  • 失敗を恐れず経験させる: 安全な範囲での失敗は、最大の学びのチャンスです。
  • 計画と振り返りを習慣化する: 「今週の目標は何にする?」「週末に、できたこと・できなかったことを一緒に話そうか」
  • 問いかけて考えさせる: すぐに答えを教えるのではなく、「どうしたらいいと思う?」と問いかけ、子どもの思考を促しましょう。

親は監督ではなく、あくまでサポーター、伴走者です。

子どもが自分で考え、自分で走り出せるように、そっと背中を押してあげる存在でありたいものです。

まとめ

「このままでうちの子は大丈夫なの?」

という不安から過干渉になってしまう親御さんは多いものです。

しかし、親がすべてコントロールできる期間は限られています。

大切なのは、その限られた時間の中で、子どもが「自分の人生は自分で切り開く」という意識と能力を育てることではないでしょうか。

将来、変化の激しい社会でたくましく生き抜き、自分の人生を豊かにするためには、学力だけでなく、自分で考え、自分で判断し、自分で行動できる「自主性」と「自己管理能力」が不可欠です。

これらは一朝一夕に身につくものではありません。

13歳という多感な時期までに、日々の小さな積み重ねを通じて、これらの力をじっくりと育んでいくことが、子どもの輝かしい未来への最高の贈り物となるでしょう。

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